こんちには。まさぴんです。
「最大の敵は自分自身」という有名な言葉がありますが、僕なりの解釈をお話します。内容的に食事中に読まない方が良いかもしれません。
■ぶっちゃけ武道の型って意味あるの?と思いませんか?
今僕は競技試合などに参加せず、ひたすら型稽古、約束稽古を通して技を練る修練をしてますが、以前は「型なんかやって強くなれるか!型稽古よりも実戦だ! 」と思っており、積極的に競技試合に参加していました。競技経験者はこういった考え方の人が多いのではないでしょうか?
■やる/やらない で迷ったらやるタイプですか?やらないタイプですか?
自慢にもなりませんが、僕は学生時代に所属していた団体の内輪試合(かなり小規模)で優勝し、社会人になってからもオープンなアマチュア試合に出て、それなりに勝っていたこともあり、大会関係者から「中国で国際試合をやるけど出てみないか?」という話をもらうことが出来ました。当然お金は掛かりますし、仕事の休暇調整も必要になったのですが、当時は「やるやらないで迷ったらやる!」という精神で行動していたので、出る事を決めました。
■中国の散打(サンダ)という競技はご存知ですか?
散打は簡単に言うとキックボクシングの肘打ちと膝打ちが無い版といった感じの競技ですが、その散打の国際試合に出る事となりました。
試合出場を決めた後、しばらくしてから事前準備として、その国際試合の過去映像を見せてもらったのですが、日本人が中国人にボコボコにやられていて、控えめに言ってビビりました。
また、それらの中国人選手は日に8時間位練習を積んでいるプロの卵だと聞き、「自分より、めちゃくちゃ練習量多いやん!」とさらにビビりました。
最初は「初の海外試合だ!」と意気込んでいたものの、気付けば「海外での試合ヤバそう、ぶっ倒される」とビビりモードに入ってしまっておりました。
当時は競技者としてのプライドもあったので、そんな自分の恐怖心を振り払うかのように練習し、「自分はビビッてなんかいない」と思い込もうとしていましたが、常に恐怖心に付きまとわれていました。
■電車で〇〇したことはありますか?
いざ中国へ出発する日、自宅から成田空港へ向かっている途中、電車の中で自分の緊張感が増していくのを感じてました。日本人がぶっ倒されている映像が頭をよぎり、緊張感がピークに達した時、電車が何かの事情で駅と駅の間で止まってしまったのです。
僕は昔からお腹が緩く、特に緊張すると下しやすいタイプなのですが、あろうことか駅と駅の間に止まった電車の中で催してしまいました。
詳細は省きますが、控えめに言ってウンコ漏らしました。
その後、試合の緊張感とお尻周りの不快感も相まってさらにナーバスになっていきました。中国に到着後、日本から一緒に来ていた観戦目的の方達は写真を撮ったり、食事をしたり、お酒を飲んだりと観光を楽しんでいたようでしたが、僕にはそんな余裕は一切なく、常に試合のことで頭がいっぱいになってました。
■本番前に逃げたくなったことはないですか?
試合は野外の公園が会場となっておりましたが、会場に到着した後も覚悟が決まることはなくビビりモードが継続してました。
自分の出番が近付くにつれ恐怖と緊張が高まっていきましたが、そんな中、雨が降ってきたのです。そして野外会場であったため、あまりにも雨がひどくなれば試合は中止になるという知らせまで入りました。
その時、僕は控えめに言って歓喜しました。
「え!?マジで!?試合しなくて良いの!?助かるかも!うぉっしゃあああ!」と。
格闘家失格ですね、はい。
その後も心の中で「雨降れ!もっと降れ!バッシャーン来いや!」と祈り続けましたが、
その祈りとは裏腹にカラッと晴天が広がりました。
この時ほど晴天の空を見て絶望したのも最初で最後の経験となりました。
■緊張でガチガチになったことはありますか?
試合は擂台(ライタイ)と呼ばれるプニプニした柔らかめの壇上で行われるのですが、そこに上がって相手と対峙した所あたりで、もうやるしかないと肚が決まりました。
試合開始後、「うおおおおおお」と叫びながら相手に飛び込んでいったのを覚えています。
極度の緊張と興奮で動きがガチガチに固くなり、必要以上に体力を消耗しましたが、意外にも拮抗した形で試合が進みました。
試合開始後は、無我夢中な状態だったかと思いますが、試合前に感じていた恐怖心は吹っ飛んでいたと思います。セコンドの「ワンツー!ワンツー!」という声だけは聞こえて、その通りに動いていた記憶があります。
結局ブッ倒されることも無く判定決着となり、負けました。
試合で負けが決まった瞬間は、悔しがる気持ちはほとんどなく、緊張感から解放された安堵の気持ちが大きかったです。
■自分を追い詰めていたものが、単なる妄想だったことってありませんか?
結果的に自分と技量がそこまで大差ない相手だったのに、自分で相手を大きくイメージして、ある種の幻想に囚われて、動きを固くし、体力を奪われ、ウンコを漏らすことになりました。
もっとリラックスして動けたら、練習通り動けたら勝てたのではないか?とすら思いました。勝負の世界にタラレバはご法度ですが。
自分自身が事実を色付けしないこと。
そして事実をありのまま捉えること。
それが自分の妄想へ打ち勝つ第一歩だと思います。
だから心身を客観的に捉えるための修練が必要なのだと考えてます。
余談ですが、 この経験からリラックスするにはどうしたらよいのか?という精神面への探求心が芽生え、武道家の著書やメンタルトレーニングに関する書籍等を読み漁ることとなりました。元々僕は一切読書をしない人間であったのですが、この経験が個人的に強烈であったせいか読書家になりました。